2016_12_13_01

昔ある人から、このアルバムをダビングしたテープを貰った。
二回ほど通して聴いてみたのだがまるで自分の好みではなかった。
当時はガンズなどの爆音系ロックに狂ってたから無理もないか。

しかし、折角貰ったものを悪く言うのも気が引けるので、彼女には「良かったよ」と投げやりな感想を伝えるだけにした。
「サイモン&ガーファンクルみたいだよ♪」とのことだったが…え~、ちょっと違うんじゃない?と思った。
だけど、それも敢えて口にしなかった。

只々地味でつまらないアルバムだなぁ~というのが当時の正直な感想でした。
彼女とは当時、互いが持っているCDを貸し借りしていた。

そんなことがあったのも既に忘却の彼方だったが、CD屋で見かけてその時のことを思い出してしまった。
91年リリースか…もう大昔だよ。
どんな内容だったのかな?昔貰ったテープは既に手元にない。
興味が湧き、値段も安かったので買ってみた。

一回通して聴いてみる…特に何も感じない。
昔聴いたことがあるはずなのに記憶が呼び覚まされる事も無かった。
しかし、二回、三回、、繰り返し聴いて行くうちに目から鱗がドンドン落ちていく。
これ、すごく良いアルバムだね!
…今頃気付いてももう遅い。

彼女はこのアルバムの良さを俺にも分かって欲しかったのだろう。
「良かったよ」などと月並みな感想しか吐けないオレにさぞ失望した事だろう。

タイトルの「Astronauts」は「宇宙飛行士」という意味です。
バンドの中心人物であるスティーヴン・ダフィがイメージするところの宇宙飛行士はスペースシャトル搭乗員ではなく、アポロ計画の頃の宇宙飛行士ですね。
他のアルバムでも同じモチーフが度々現れるところを見ると、この人の中ではあの月面着陸のテレビ中継が強烈な印象として残ってるんだろう。
60年代生まれの人間ならこういうノスタルジアにビビッと来るんじゃないかな。あのテレビ中継、薄っすら記憶ある…

良いアルバムには違いないけど、地味な印象は相変わらずで、人に薦めたいけど分かってもらえないだろうなぁという難しい作品。
こういうジワジワ来るアルバムと言うのはずっと聴き続けられる愛聴盤になるんだけど、そうなるまで付き合ってくれる人が居るかどうかだよね。
2016_12_13_02

ライラック・タイムのアルバムはどれも傾向として似た感じで、最低三回は聴かないとその良さが分からないような作風(?)ですね。
他に何枚か聴いてみましたがどれも良くて、以降はアナログで揃えたいという妙な欲が出てきてしまい、まだ全部揃えられておりません。
ダフィさんのソロ作も何枚か聴いてみましたが、ライラック・タイムとは一線を画す、マシュー・スイート辺りを彷彿とさせるパワーポップ系で、どっちかというとソロ作の路線の方が一般受けするんじゃないかなとも思いました。
でも私はライラックの方が好きです。

赤いのは赤血球?このジャケット画像のイメージもどことなくノスタルジックですね。
どっかで見た覚えがある、なぜだろう?キューブリック的な…
バンドの名前はニック・ドレイクの曲から頂いたそうです。