p stanley


大晦日ですね。

これ、去年発売された本ですが知りませんでした。ネットで調べものしてたら偶然見つけたので即購入。
届いてまずびっくりしたのがその分厚さ。3㎝もあります。

こういう本が出る状況見ると、自分等世代にとってキッスは今や前世代におけるビートルズと同等の存在になってんですね。
当時はキッスなんか聴いてんのかよと随分バカにされたもんですけど。そして今、時代は証明する。我々ファンの方が正しかったのだ。w

バンドの成功物語はこれまで音楽雑誌など読んでて大雑把ながら知ったつもりで居たけど、当事者が語る真相は思っていた以上にドラマチックでありました。
ビジネス面でのシビアな問題、メンバー内の愛憎相半ばする感情、仲間との哀しい別れ、、一つのロックバンドの中にこれほどのドラマがあったとは。

キッスというとまずジーン・シモンズが中心で、ポールは二番手というイメージだったんですが、この本読んで認識はすっかりキッス=ポールへと変わりました。
彼が如何に献身的にバンドに貢献したか。特に80年以降はほとんどポール一人で切り盛りしてますよね。
ジーンは映画なんかの課外活動ばかりに熱心で、そんな彼に怒りを感じていたそうです。
この辺り、自分が思い描いてた「ハードロック界のレノン=マッカートニー」ってイメージとは全然違ってましたねー。残念です。
ジーンとポールは共に先祖がユダヤ系移民という共通点もある。
"KISS"のロゴがナチス親衛隊ssのマークっぽいのは何か意図があっての事かなと昔から引っかかってた疑問にも言及されていました。

生まれつき片耳が形成異常で聴こえないというハンディキャップ。
障害により世間と馴染めないばかりか、両親にまで突き放されたような態度で接され、自分の居場所がどこにも無いと感じていたそうです。
キッスと言うバンドが初めて自分の居場所と思えたというんだから。だから他の誰よりバンドに全力を捧げたし、維持しようと必死だったんでしょうね。

ジーンはともかく、エースとピーターの人間性には随分問題があったんだなぁ…
「アライブ!」が認められ、人気が不動のものになりつつあった時点で既にバンド内に軋みが生じていて、あの初来日時には既にバンド内部はボロボロだったとか。
当時熱心に聴いてた身として、こういう話は複雑な気持ちになってしまいます。実はこうだったんだよ…って、知らない方が良いこともあるのね。
特に印象深かったのはマネージャーであるビル・オーコインとの関係。
まるでビートルズにおけるブライアン・エプスタインの様な存在か、それ以上の存在ではないかなと思いました。
バンドに不協和音が流れる頃、彼もドラッグなどの問題でバンドと別れる事になるのですが、その後の再会~死別への流れは読んでいてとても哀しいものでした。

セックス・ドラッグ・ロックンロールを絵に描いた様なロックスター(ドラッグには否定的ですが)だったポールも今じゃ良いお父さんになっちゃってて、それはまぁ時代の流れとして仕方ないんでしょうけど。
でも良い本でした。