久しぶりにブログ更新。


針飛びするレコードの傷の修復については過去何度か書きましたが(記憶によると多分2度)、その後更に修復師としてのウデが上がった様です。

ここ数日ヒマだったので針飛びが酷く、今まで諦めていた傷盤がどこまで修復出来るか腕試しのつもりでトライしてみました。その結果、殆どの盤が修復出来ました。

枚数にして15〜6枚ほど。うち、どうしても修復不可能だった物は2枚だけ。かなりの確立だと思うのですが。


修復と言っても、溝に沿わせて爪楊枝の先をそ〜っとなぞるのが基本ですから、特に難しい技術が必要とされる訳では無いのですが。

カギとなるのは傷のどの箇所で飛ぶかの見極めでしょうか。これが結構大変。要は「根気」。それがすべてでしょうね。


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最近買った中ではこれが手強かった。「MEET THE BEATLES」のUS盤。

ご覧の通り、A面一曲目にある溝に沿った長〜〜い傷。この傷の三カ所で針飛びが発生するという、困難を極めたモノでした。

以下、手順として。



1.まずは普通にプレイしてみて、どの部分で針が飛ぶのか、音楽を良く聴き、その部分を耳で覚えます。

2.次に、針だけ降ろした状態でプレイヤーを止め、手回しでゆっくり針飛び箇所を探します。

どんなに低スピードでも針は傷の個所で確実に飛びます。

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3.飛んだ箇所に目印として「付箋」を付けます。なるべく近い所に貼付けましょう。

写真撮った後に気付きましたが、付箋の先を三角に、矢印っぽくカットすると更に良い感じです。

カートリッジによっては針が見えにくい形状の物もあるので、針先が確認し易い形状の物に取り替えます。

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 4.ここからは机上の作業に。レコードに付けた付箋付近の傷をルーペで確認しながら爪楊枝でコリコリと修復して行きます。

傷は光の加減により見えたり見えなかったりするので、光の当たる方向を何度か変えて、一番よく見える所にライトを設置します。

針が流れる方向と同じ「反時計回り」に爪楊枝を滑らせます。

力が入りすぎない様に注意します。指の重みだけがかかる感じでそっと傷の上をなぞります。針が飛ぶ程の傷というのは大抵の場合、指先に「コリッ」と手応えがあります。


手応えが少なくなるまである程度なぞってみて、その後プレイして確かめます。傷の位置が間違ってないならこの時点で大抵は修復出来ているかと思います。

ダメな場合は更に滑らかになるまでなぞってみるか、その隣の溝もスムーズに爪楊枝でなぞれるか確かめてみます。

ここでセッカチになってはいけません。あくまでも優しく、根気強く粘りましょう。短気を起こしてはダメ。

ちょっと擦ってはプレイして、また机に戻って擦ってプレイして確かめる…この繰り返しを10回ほど、地味に続けました。

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 また、道具を工夫するのも手です。

爪楊枝は柔らか過ぎて先っぽがすぐ潰れてしまうので私は最近プラスチックの棒を使っています。これはプラモデルのランナー部分を切り取って、先っちょを尖らせた物です。
爪楊枝よりも耐久性があるし、鉄よりも柔軟なので中々良いかと思います。
 

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これでもダメな場合、最終兵器として「鉄」を使います。縫い針なども試したがありますが、思ったよりレコードの溝は細く、縫い針では太すぎました。

私はギターの弦の切れ端を使ってます。これはミディアムゲージの1弦、一番細い弦の切れ端の先端をヤスリ&オイルストーンで鋭く尖らせたモノです。

ライトゲージを使うと更に細い物が出来ますが、レコード溝にはこの太さが丁度良い様です。指でつまめる様に爪楊枝に接着してあります。


稀に、これでもダメというモノもありましたが、そう言う場合も諦めてはいけません。

押してダメなら引いてみな…時計回りに爪楊枝を動かしてみました。どういう理屈か、これで見事復活したレコードもありました。
 

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ルーペ、虫眼鏡は必需品。

昔使ってたビデオカメラの接眼部がちょうど良いルーペになるので私はこれを使ってます。

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 ちなみに修復不可能だった盤はどんなのかというと、傷が見当たらないのに針が飛ぶ物。傷が余りに深く、溝そのものがえぐり取られた物でした。
あと、難しいのがカラーレコード、ピクチャーレコードの類い。マーブル模様のレコードは特に傷が確認し辛くて難儀しました。
以上、参考になれば幸いです。では〜