最近、頓に昔を懐かしむ事が多くなって来た。これもやっぱり歳のせいだろうな。
先日はDTP以前のデザイナー仕事について色々と書いてみたが、その頃良く聴いていた想い出の音楽と言う事で「ストリート・スライダーズ」を。

89年…まだ上京して間も無い頃の事。
その頃は千葉の北千住、馬橋という田舎町のワンルームマンションに住んでいました。何故上京してわざわざそんな田舎へ?と思われるかも知れませんが、右も左も分からぬ当時は不動産屋の言いなりでしたからね。
バストイレ付で家賃は4万円程度だったっけ。

自分の故郷より辺鄙な場所(地元の方、すいません)に住む事になってイマイチ「上京」したっていう盛り上がりが無かったなぁ。そこから中央区新富町のちっぽけなデザイン事務所へ通ってた。
千代田線っていう殺人的に混合う通勤電車の中で聴くのがこのスライダーズだったってワケさ〜(笑)

いや、行きはもう音楽なんて聴いている余裕が無い程、酷い混雑だったけど帰りは大抵終電だったから、のんびり車窓の夜景を眺めつつスライダーズを味わっておりました。
前述の通り、田舎ですから帰ると真っ暗。夜道をトボトボ歩いて家路に向かう途中もウオークマンでスライダーズ。

下らないやっつけ仕事ばかりでヘトヘトになりながら「自分は何しに此所へやって来たんだろう…?」なんて自問自答しながら「かえりみちのブルー」を口ずさんでいると何とも言えない暗澹たる気分になったものです。

「スクリュー・ドライバー」…彼等のアルバムとしては余り評価されて無い感じですが、捨て曲無しの名作だと私は思います。
スライダーズ流R&Rの完成型。初期の勢いを保ちつつも大人の深い味わいがある作品。
彼等が影響を受けたストーンズやT-REXの遺産があちこちで見受けられます。
これをもって当時は保守的だ、前時代的だと非難する似非評論家が多かったよな…。
今は逆にこういう根っからのR&Rバンドが皆無で寂しいですよね。

ブルージーな曲が特に良いです。
A-3,B-2,4辺りが89年当時の自分の気持ちにぴったり来たんです。
今聴き直してみるとあの頃の気持ちが… 自分にとってこれはかけがえの無い青春時代(?)の想い出。

■SIDE-A:1.風の街に生まれ 2.Oh!神様 3.かえりみちのブルー 4.ベイビー,ドント・ウォーリー 5.ヘイ,ママ
■SIDE-B:1.Yooo! 2.おかかえ運転手にはなりたくない 3.ロック・オン 4.ありったけのコイン 5.いいことないかな